株式や投資信託などの資産運用・投資を行うにあたって考えなければいけないポイントがあります。それは、「どのタイミングで購入するのか」と「どの銘柄をどれくらい保有するのか」です。この記事では集中投資、一括投資、分散投資のそれぞれの違いやメリットデメリットを詳しく解説していきたいと思います。
分散投資とは?
時間分散
買い付けるタイミングを分けながら行う方法を時間分散と言います。特徴としては投資信託の場合、高値の時は少しだけしか買えませんが、安値の時はたくさん買うことが出来ます。このことをドルコスト平均法と呼びます。
ただし、あまりに時間を分散しすぎるとリターンの伸びしろも減少します。
資産分散

ここで言う資産とは株式や債券、REITなどのことを指します。上図のように各年ごとに国内株式や海外株式などのリターンの順位は入れ替わり続けています。どれが一番いいのかなんて誰にも分からないのです。
1番を当てられないのであれば全部持ってしまえばいい。
地域分散
ひとつの国や地域だけではなく、いくつかの国や地域に分散しましょう。例えば私のようにVTI(全米株式)のようなインデックスファンドだけを運用することは今後の長い期間での運用を考えるとやや偏りが出るかもしれません。
全世界株式やその他のいくつかのファンドと組み合わせながらの運用も投資方針に合わせて考えてみましょう。
集中投資とは?
どれくらいまでが集中投資かは定義付けが難しいですが、投資対象となる銘柄を出来る限り絞ってごく少数の銘柄を買い付け、保有する方法のことを言います。
分散投資で言う資産分散の対義語と言えるでしょう。
一括投資とは?
買付の際に予定している投資資金を「有り金全部使う」方法のことを一括投資といいます。日本株の場合は現状100株単位での売買が基本となりますので、初心者にとってはそれだけでも一括投資になるかも知れません。その点、米国株は1株単位の売買ですので、投資へのハードルが低いことや強いリターンが見込めることから2021年現在でも非常人気です。
一括投資は分散投資で言う時間分散の対義語と言えるでしょう。
分散投資のメリットとデメリット
投資用語として使われる”リスク”はリターンの幅のことです。決して損をする確率の話ではありませんのでご注意ください。
メリット①:相対的にリスクを軽減出来る
一括投資と比較すると分散投資はリスクを軽減することが出来ます。なぜなら、投資対象の価格の上下に対して柔軟な買い付けが出来る為です。安い時には多く買うことが出来ますし、高い時には控えめな購入をしていくことで平均を取っていき、価格の変動をマイルドにすることが可能となります。
デメリット①:積立額が少ない間はほとんど利益が出ない
分散投資の大きなデメリットは小額投資ではほとんど利益が出ないどころか大したリスク軽減の戦略にならないことが挙げられます。そもそも短期的な価格変動を嫌うのであれば、長期投資は向いていないかもしれません。
なぜなら、短期的には不規則な株価変動は当たり前のように起こる為、損失を被ることも普通だからです。もしその一時的な下落すら怖い人が、「分散投資でリスク軽減だ!」と仰るのであれば、投資におけるリスクをきちんと学び直す必要があると思います。
集中投資のメリットとデメリット
メリット①:ハイリターンを叩きだせる可能性がある
インデックス投資のような多くの企業や国に分散されたものでは短期的に大きく稼ぐことは非常に難しいとされています。一方、集中投資は大きく稼ぐ可能性を持った方法です。
デメリット②:非常にハイリスク
ハイリターンの裏にはハイリスクが潜んでいます。企業の倒産や財務状況の悪化などがあった場合は投資家にも大きな影響がでるでしょう。
一括投資のメリットとデメリット
メリット①:上昇相場の利益をダイレクトに得られる
一括投資の最大のメリットとして仮に保有する銘柄が右肩上がりと仮定した場合、上がれば上がるほどその恩恵を受けます。
デメリット①:下落相場の損失もダイレクトに受ける
デメリットは先ほどの逆で、一括で投資した場合はキャッシュに余力を残していないのでドルコスト平均法などの買い足しが出来ません。ですので、下落相場であれば損失も大いに受けることになります。
一括投資が向いている人は?
多少のリスクが取れてリターンを出来る限り高めたい方は一括投資が向いているでしょう。
初心者におすすめなのは分散投資
このブログの読者の方全員とは言いませんが、多くの方に適切なのが分散投資だと思います。
その理由は、ほとんどの初心者にとって「莫大な資産を築きたい」と言う願望より、「出来るだけ安全な方法で運用したい」という思いの方が強いからです。資産形成は不安と共に歩んでいく人生の一部として、より安心できるだけ堅実な手段を考えながら運用してみてはいかがでしょうか。
資産形成をしていく上で重要なのは早く儲けることではありません。不必要な損失を回避する事もとても大事です。
つみたてNISAでの長期運用と分散投資
近年はつみたてNISAを利用したインデックスファンドの運用が多くなっているようです。私自身も2019年から同様のことを始めています。
つみたてNISAでの運用は非課税期間の関係もあり20年と「長期投資」をしていくスタイルになります。情報発信者の多くは今後そうしていくつもりの人ばかりで、実際に十数年以上の長期投資をしているインデックス投資家はごく少数です。私もインデックス投資の運用歴はまだ2年程度ですので、全てを鵜呑みにせずご自身でも書籍などから情報を集めてくださいね。
最後に
一括投資と分散投資の違いやメリット・デメリットについて解説しました。
王道は分散投資ではありますが、ひとりひとりライフスタイルや運用目的は異なります。必ず自分自身の目的を明確にして、あなたにあった運用方法で行うようにしてください。
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